🌿伊良湖から鳥羽へ——女子2人の小さな大祓い旅

~冬の気配に包まれる、心を清める一日~

海の空気は、季節が変わるたびに表情を変える。

伊良湖岬へ向かう道すがら、私たち2人は「今年もよく頑張ったね」と笑い合いながら、少し早い大祓いの旅に胸を弾ませていた。

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伊良湖岬から鳥羽へ——海を渡る時間が小さな禊(みそぎ)みたい

フェリーに乗り込むと、潮の香りがふわりと鼻先をくすぐる。

船のデッキに出れば、冬を迎える海は驚くほど静かで、

まるでこの一年の心のざわめきを一つひとつ吸い込んでくれるようだった。

揺れに身を任せながら、私たちは言葉少なに、ただ海を眺めていた。

「なんだか、もう清められてる気がするね」

友人がそう呟いて、ふたりで思わず笑った。

🌉 

鳥羽に着くと心が柔らかくほどけていく

港に着くと、鳥羽特有の柔らかな空気が迎えてくれる。

海と山が近く、どこか“母性”を感じさせる土地だ。

少し冷たい風を頬に受けながら、私たちはそのまま伊勢へ向かった。

🌲 伊勢神宮・外宮から内宮へ——心の奥が静かになる参道

まずは外宮へ。

砂利道を踏みしめる音がサクサクと響き、この一年を振り返る時間がゆっくり流れる。

手水舎で手を清め、深く一礼すると、

空気がひんやりと澄んでいて、胸の奥にすっと清い風が通った。

内宮に向かう途中、ふたり並んで歩く道のりがなんとも心地よい。

「よく笑ったね」「泣いたこともあったね」

そんな言葉を交わしながら、五十鈴川の清流へ。

川面が陽を受けてキラキラと輝き、

その美しさに“ああ、ここに来てよかった”と自然に思えた。

🍡 そして、おかげ横丁へ——女子旅に欠かせない“食べ歩きタイム”

参拝の緊張感がふっとほどけて、

やっぱりここからが女子旅の本番。

赤福本店で赤福餅と盆梅茶。

湯気の立つお茶と柔らかい餅が、冷えた身体をほころばせる。

松坂牛の串焼きはシェアして楽しむ。

「ひと口で幸せになれるね」と笑い合う。

コロッケ屋さんの揚げたてコロッケ。

カリッとかじると、中から熱々の旨みが広がる。

きな粉団子、伊勢うどん、醤油せんべい…

気がつけば両手にいろんな“幸せ”が集まっていた。

おかげ横丁は、どこを歩いても温かく、

昔ながらの風景と人の笑顔があふれる場所だ。

女子2人で「これ美味しそう!」「ちょっと食べてみる?」と

はしゃぎながら歩く時間は、何よりのご褒美だった。

🌅 帰り道——夕暮れの中、今年の自分をそっと抱きしめる

鳥羽へ戻る道すがら、空は少しずつ夕焼け色に染まっていく。

朱色の空と静かな海。

その中を進む車内で、私たちは少し静かになった。

「また来年も、一緒に来たいね」

「うん。今年一年ありがとうございました、って感じだね」

海辺に沈む夕日が、まるで今年の自分自身を

優しく抱きしめてくれているように思えた。

✨ 終わりに——小さな旅が大きな浄化になる

伊良湖から海を渡って、

伊勢の森で祈り、おかげ横丁で笑って、

夕暮れに見送られて帰ってきた。

それだけのことなのに、

心の奥が驚くほど軽く、温かくなっている。

女子2人のささやかな旅は、そのまま一年の大祓い。

また新しい一年へ向かって歩き出すための、静かなエールになった。

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