🎄光の都・パリ、クリスマスの煌めきと温もりを訪ねて
── 30代女性3人の冬の旅より ──
12月のパリ。空気は凛と冷たく、吐く息が白く光を受けて舞う。
そんな季節に、私たち3人の旅は始まった。
到着した日の夜、タクシーの窓から見えたのは、まるで星空が地上に降りたようなシャンゼリゼ通り。並木道に飾られた数十万のLEDが街全体を包み、遠くに浮かぶ凱旋門のシルエットが誇らしげに輝いていた。
3人で手を取り合って、「やっぱりパリのクリスマスは別格だね」と笑い合う。

✨光と芸術が響きあう街
翌日はエッフェル塔へ。冬の午後、淡いピンク色に染まる空の下、塔は金色の光をまとい始める。
広場ではホットワインの香りが漂い、子どもたちの笑い声が響く。
街のいたるところにスケートリンクが設けられ、老若男女がクリスマスの音楽に合わせて滑っていた。
夜にはセーヌ川のディナークルーズへ。ガラス越しに流れる夜景は、まるで映画のワンシーン。
エッフェル塔がライトアップされる瞬間、船内から小さな歓声が上がり、誰もがその美しさに息を呑んだ。
グラスに注がれたシャンパンが光を反射し、私たちの心にも小さな灯がともる。
🎁ツリーに込めたパリの美意識
ギャラリー・ラファイエットの吹き抜けに立つ巨大なクリスマスツリー。
今年のテーマは「冬の星座」。
ドーム天井から吊るされた煌めく星々が、まるで宇宙の中に迷い込んだような幻想的な空間を作り出していた。
ツリーを見上げると、隣の友人が「夢の中みたい」とつぶやいた。
その言葉に、ふと胸が熱くなる。旅の魔法は、こういう瞬間に宿るのだろう。
🕯️ノートルダム大聖堂の記憶
焼失前のノートルダム大聖堂も、私たちにとって忘れがたい場所。
かつて冬の夜、ミサの鐘が鳴り響き、人々がろうそくを手に祈りを捧げていた。
再建に向けて少しずつ姿を取り戻すその姿に、パリの人々の「再生」への思いが感じられる。
クリスマスとは、失われたものを悼み、希望を見出す時間でもあるのだ。
🎅パリのクリスマス文化
パリのクリスマスは、家族と過ごす静かな時間が基本。
イブの夜には「レヴェイヨン(Réveillon)」と呼ばれる特別なディナーを囲み、
フォアグラ、牡蠣、七面鳥、ブッシュ・ド・ノエルが並ぶ。
街のカフェやパン屋も、この時期だけの特別メニューを提供し、
人々は互いに「ジョワイユー・ノエル!」と笑顔を交わす。
そして25日以降は、美術館や商店が静まり返り、
街全体がまるで一夜の夢を見ているように穏やかになる。
この「静けさの美学」こそ、パリのクリスマスが世界中の旅人を惹きつける理由なのだろう。
🎇旅の終わりに
帰国前夜、再びシャンゼリゼを歩いた。
風は冷たかったが、心は不思議なほどあたたかい。
3人で見上げた凱旋門の向こうには、
光と影が交錯する「永遠のパリ」が静かに息づいていた。
── 光の都のクリスマスは、きっとまた私たちを呼んでくれる。



